ベルリン 2007年5月26 - 30日 4日目

『鎖(とざ)したる寺門の扉に倚りて、 声を呑みつゝ泣くひとりの少女(をとめ)あるを見たり。 年は十六七なるべし。
被(かむ)りし巾(きれ)を洩れたる髪の色は、薄きこがね色にて、着たる衣は垢つき汚れたりとも見えず。
我足音に驚かされてかへりみたる面(おもて)、余に詩人の筆なければこれを写すべくもあらず。
この青く清らにて物問ひたげに愁(うれひ)を含める目(まみ)の、
半ば露を宿せる長き睫毛(まつげ)に掩(おほ)はれたるは、
何故に一顧したるのみにて、用心深き我心の底までは徹したるか。』

森鴎外の「舞姫」、実は好きな本のひとつです。
筋はともかく(豊太郎の卑怯者〜!)、文章が高雅で簡潔。
このエリスの描写なんて、うっとりしてしまいます。

太田豊太郎とエリスの出会いの場面ですが、
ここ、マリーエン教会がこの“寺”のモデルと言われているそうです。

 

その近くのテレビ塔にも上ってきました。
高いところが苦手なダンナの「東ドイツ製だぜ〜。危ないぞ〜。」という声は無視でした。



それから、ドイツ技術博物館に行くダンナとは別行動で、絵画ギャラリーに行ってきました。
emiさんに貸していただいたガイドブックにでは、技術博物館は三ツ星なのですが、
絵画ギャラリーは一ツ星、せっかく行って大したことがなかったらイヤだなぁ〜。

不安に反して、ボッティチェリ、ラファエロからヴァン・ダイク、ルーベンス、レンブラントと
かなり充実していました。が、建物自体は殺風景といっていいほどでした。
広々していると言えば、広々してましたけれど。。。

お目当てのひとつ、フェルメールの2作品。

 

 

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