ベネチア 2007年11月1 - 5日 ヴェネツィア・ビエンナーレ
ヴェネツィア・ビエンナーレは100年以上続いている芸術祭です。
2年に1回開催されるのですが、ちょうどこの時が開催時でした。
コンテンポラリー・アート好きの同居人(♂)は大喜び。
第52回目の今年のテーマはこれ、
「今の芸術をを感覚で考え、心で感じろ」といったところでしょうか。
何となくわかるような、わからないような?
とにかく入ってみましょう。
フランス館の入り口です。パリの町で見かける公衆トイレが国旗の色に塗られ、
その上にそれぞれ自由、博愛、平等の文字が掲げられています。シャレっぽくていい感じ〜。
パビリオンの中の展示はソフィ・カルという人の作品で、
男性から突然別れのEメールが来て、
その結びの言葉が“take care of yourself(お元気で)"。
そのメールを102人の世界各国のいろいろな職業の女性達に送って、
職業的な見地からの見解を求めた...というもの。
写真やビデオや文章などで、102人の女性のリアクションが紹介されています。
その中には文楽の人形のビデオもありました。
今度は男性編もやって欲しいな〜っと。
左下はアメリカのフェリックス・ゴンザレス-トレスの作品。
真っ白な空間に黒いアニス味のキャンディーを四角く敷き詰めてあります。
頭で考えると、これ何なの?ですが、心で考えると、何となくいい感じ〜でした。
右下はカナダ館。David Altmejdの作品です。鏡の中の森には、鶏の頭をしてスーツを着た人間がいて、
壊れかかった鏡の巨人からは植物や茸が生えて、動物が顔をのぞかせている...
不思議な世界に迷い込んだようでした。
日本からは岡部昌生さんの「私達の過去に未来はあるのか」。
広島港にある旧国鉄宇品駅のプラットホームを擦りとった1400点のフロッタージュ、
それに地方紙の記事なども混じって展示されてました。
フロッタージュってでこぼこした物の上に紙を置いて、鉛筆で擦ると模様が浮き出ますが、それです。
真ん中に置いてあるのは、広島倉橋島産の被爆石だそうです。
黒く浮き上がってる過去の残像を見ていると、未来は暗いかも...って思ってしまいました。
スペイン館の作品で、道を歩くひとりの女性の後姿を
ずっと後から追いかけていくビデオも面白かったです。
アートとひとくちに言っても、表現方法はとても幅広い!
そして、その解釈の仕方も、人それぞれであっていいと思います。
評論化がどう評価しようと、その人がいいと思えば、
それはその人個人にとってはいいアートなのですよね。
私はどちらかと言えば、古典絵画が好きで、感動するのもそちらのほうなのですが、
今回はコンテンポラリー・アートを考えるいい機会になりました。